ビジネスモデル研究備忘録その1といいながらこれしか書かないかも
自分用にビジネスモデル研究の備忘録をつけておくためのものです。
※内容に対して自分の意見を付加しているので気になる方はコメントください。
ビジネスモデルのルール 山田英夫著より
1、ジレットモデル(替え刃モデル)で儲けていたエプソンがビジネスモデルを変化させた事例
ポイント:
・エプソンは消耗品のインクを交換することでランニングでお金がはいるモデル
・東南アジアでは勝手に外付けタンクをつけて売ってしまったことで消耗品のビジネスモデルが成り立たなかった→エプソン自身が同質化した外付けタンクありのビジネスモデルにチェンジ
・乗り越えた障壁:
①長期間インクを劣化させない技術(蒸発を防ぐ・空気を混入させない)
②インクの水位によって圧力が変わりインクを使いきれないので、供給する圧力を一定にする機構
③インクを補充するときにユーザが手を汚すことがないようチューブの外形を工夫
・従来の市場でのユーザへの価値訴求(大量印刷ユーザに対して):
①インクカートリッジ交換の手間の低減
②印刷コストの削減
③インクがなくなったという表示が出ることによる不安の軽減
コメント
従来のユーザのうち、大量印刷ユーザのかかえている不はなにか?仮説
・大量印刷をするということは連続で印刷をしつづけることを保つことが大事
・なぜ大量印刷をする必要があるか?
例:ビジネス目的、商用目的などで納期内に品質を安定させて大量に印刷することが必要
・一番ユーザが望んでいることは、
印刷が途中で止まらないこと(途中で止まる可能性が低いこと)
品質が安定していること(かすれたりしないこと)
の2つがメインでは?③が大事なポイントな気がする。
2、セブン銀行
・顧客の不は、夜間や土日にお金が支払えるコンビニで引き出せるとよいというもの
障壁
・銀行と共同運営では手数料がおりあわない
・設置するATMが有人で800万、無人は2000万で採算割れする
・入金より出金が圧倒的に多く補充しないと紙幣がなくなる。
機会
・訪日客の増加があったが、日本の金融機関のATMでは引き出しができない
乗り越え方
・自身で銀行免許をとることで主導権をとる
・通帳なし、小銭なしにすることで1台200万、決済件数1日70件で損益ラインに乗る設計
・紙幣の補充役をになう売り上げ入金サービス
ー店舗の現金売上を専用カードでATMに入金するサービス(銀行の夜間金庫替わり)
ーこれによって紙幣が毎日入るので月1回の現金運び込みでOK
・海外カード対応することで訪日客の現金引き出しニーズに対応
さらに、セブンイレブンに来店するその地域の人(外国人)をターゲットと見据えることで、海外送金サービスにも対応し10億単位のビジネスを獲得(大手都銀は100億がターゲット規模なのでカニバらない)
コメント
目に見える差別化ポイントでなく収益構造を成り立たせている紙幣調達コストの引き下げとATM1台あたりのコストの引き下げ、特に紙幣調達コストの引き下げというのが秀逸。ローコストオペレーションを成り立たせ、損益分岐ラインを引き下げたことがすばらしい。
現金という構造自体が変化する今後において、どういうビジネスモデルに変化させるのか?興味がある。
3、ソニー損保
・顧客の不は、毎日運転する人とたまに運転する人の保険料が同じなのは不公平
・走る距離だけ自動車保険を後発参入し、走行距離が短い人が得するしかけ
・安全運転の度合いを実行度合いにおいて保険料キャッシュバックするテレマティクス保険を導入
ーインターネットや電話販売のみでチャネルコストが低減できていた
ーデータ取得コストを下げるためにドライブカウンタで実施(notスマホやカーナビ)
・消費者からのプルでサービスをはじめることで、今の保険を割高に感じている中年層が獲得。キャッシュバックを受けた契約者のリピート率が高く、優良ドライバのみがたまっていく仕組み
・結果的に安全運転を気にするユーザが増えることで加入者の事故率が試算より下がる(英国のテレマティクス保険だと75%減の場合も)
競合差別化
・優良ドライバの母集団が小さいので大手は利益率が低くうまみなし
・現在の保険は等級分類だけでよいが、テレマティクスにしようと思うと導入コストがかかる
・大手は優良ドライバもそうでないドライバも均質にいたほうが都合がよい
ー市場の小ささと規模の経済がききづらいということ
もう疲れたので、やっぱり2書きます。。。というか、この本だけあと9個もあるやんけ。ただ、ここまで記録に残して自分のコメントを残すと大事なポイントは残るから大事なような・・・。
うーむ。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
参考に、ビジネスモデルの定義・構成要素・利益をあげるモデルを抜粋。
定義:顧客に価値を届け、長期的に利益をあげること(儲ける仕組み)※所説あり
構成要素:顧客の特定、提供価値、利益をあげる仕組みの3つが大きな構成要素
利益をあげるモデル:
スライウォッキー(プロフィットゾーン経営戦略)作
顧客ソリューション利益・製品ピラミッド利益・マルチコンポーネント利益・スイッチボード利益・時間利益・ブロックバスター利益・利益増殖モデル・起業家利益・専門化利益・インストール、ベース利益・デファクトスタンダード利益・ブランド利益・専門品利益・ローカルリーダシップ利益・取引規模利益・価値ポジション利益・景気循環利益・販売後利益・新製品利益・相対的市場シェア利益・経験曲線利益・低コストビジネスデザイン利益・デジタル利益
※ビジネスモデルと無関係なものも含まれている。
ジョンソン(ホワイトベース戦略)作
親睦団体提携型・仲介型・セット販売型・携帯電話型・クラウドソーシング型・中抜き型・共有型・フリーミアム型・リース型・サービス削減型・プロセス逆転型・従量制料金型・髭剃りと替え刃型・リバースオークション型・逆髭剃りと替え刃型・サービス移行型・標準化型・定期購読型・ユーザコミッティ型
※アナロジーを利用することの有用性から19のアナロジーを示している。
ビジネスモデルナビゲータで55のビジネスモデルを紹介してるそう。これも読みたい。
ビジネスモデルキャンパス
パートナー、主要活動、リソース、価値提案、顧客との関係、チャネル、顧客セグメント、コスト構造、収入の流れを1枚で示したもの
9セルメソッド
顧客価値:
who どんな片付ける用事を持った人か?
what 解決策としてなにを提供するか
how 代替策との違いをどのように表現するか
利益:
who 誰から儲けるか
what 何で儲けるか
how どのような時間軸で儲けるか
プロセス:
who 誰と組むか
what 強みはなにか
how どのような手順でやるか